みんなではじめるSDGs

みんなではじめるSDGs 特別編

<ダイコク電機株式会社>
柔軟な発想で、テクノロジーを進化
絆協定が育む、中学生の創造力と企業の情熱

名古屋市と陸前高田市の「絆協定」に基づき、両市の交流は教育の分野でも深まりを見せています。
今回は学生記者として同行した名古屋市立大学 経済学部荻曽賢杜さんが、
「絆協定」の一環としてダイコク電機株式会社(名古屋市)で開催されたプログラミング教室を取材。
高田第一中学校の小林龍汰さん、曳地明美花さんが参加した教室は、単なるプログラミング体験に留まらず、
被災地の次世代を育成し、地域間の交流を持続可能なものにするための重要な学びの場となりました。
ここではその様子を紹介します。


取材記事を書いた学生記者
名古屋市立大学 経済学部
荻曽賢杜さん

「絆」を未来の力へ。技術が繋ぐ名古屋と陸前高田
 取材の舞台となったのは、ダイコク電機が展開するプログラミング教室「ロボキューブ」です。取材を通して強く感じたことは、同社がこの活動を単なるCSR(企業の社会的責任)としてではなく、絆協定に基づく「生きた交流」として極めて大切にされている点でした。
 午前中、陸前高田市から訪れた中学生たちは、信号機の点灯制御から体験をスタート。特に印象的だったのは「黄色の光をどう作るか」という課題です。光の三原色を学びながら試行錯誤する過程で、「色が変わらない」「消えない」といったトラブルに直面しますが、彼らは諦めませんでした。指導にあたった社員の方々は、正解を教えるのではなく、生徒たちが自力で解決策を導き出すまで辛抱強く見守ります。
 「プログラマー養成ではなく、目標に向かって考え、表現する力を養ってほしい」という同社の願いは、復興の先にある自律的な未来を支える力になるはずです。後半の課題であるギア連動のキリン型ロボットが、ガシャガシャと音を立てて歩行を開始した瞬間、中学生たちの顔に溢れた弾けるような笑顔は、名古屋の技術が若者の可能性を大きく広げた確かな証しのように感じられました。

考えを言語化・ビジュアル化して行われたプレゼンテーション

自社の価値を再発見。支援を超えた「双方向の学び」
 午後の企画発表会では、さらに踏み込んだ交流が見られました。中学生が「教材開発者」となり、小学校低学年向けの新しいカリキュラムを提案。小林君はテコの原理で脚の伸縮を表現した「ウサギのロボット」を、曳地さんは自身の音楽経験を投影し、順次・繰り返し処理を組み込んだ「三味線演奏ゲーム」を披露しました。
 彼らの「身近なものを題材に面白さを伝える」という着眼点は非常に鋭く、ダイコク電機の開発スタッフからも「すぐにでも採用を検討したい」との声が上がるほどでした。ここで何より感動したのは、この取り組みが「支援する側」と「受ける側」という一方通行の関係ではなかったことです。生徒たちが組み立ての最中に指摘した「図面の分かりにくさ」は、即座に製品改善のヒントとして受け入れられました。絆協定が生んだこの対等な交流は、企業にとっても自社の価値を再発見する貴重な機会となっていました。
 取材の最後、最初は緊張で硬かった二人が、社員の方々との交流や昼食を経て、「社会が円滑に動くための基になる仕事だと感じた」と自分の言葉で堂々と夢を語るまでに成長しました。ダイコク電機が贈った「広い世界を知り、自由な発想を大切にしてほしい」というメッセージは、参加した二人の心に深く刻まれ、名古屋の地で育まれたこの小さな「絆」は、地域を超えて共に成長しようとする持続可能なパートナーシップの体現であり、彼らが未来へ踏み出すための確かな原体験となったはずです。

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どうすればアイデア形にできるか試行錯誤を繰り返す

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ダイコク電機 栢森社長から直接アドバイスをもらう一幕も